似ている方言、似ていない方言?

普段気にして口にしてはいませんが、私達は 地方の方言 を使って話していることが多いです。

幼いころから慣れ親しんだ言葉なので、違和感なく使っていて、他県に移り住んだとき、初めて「これは方言だったんだ!」と気づくことも多いと思います。

しかし、遠く離れた他県でも同じ方言を使っている場合もあったりと、方言ってなんだか不思議ですよね。

ひとつの県の中でも、地方によって方言に違いがあることも珍しくありません。
山口県内の方言でも、県の東部や中部など地域によって少しだけ方言が違います。

1.県内の方言の特徴

地方の方言

山口県の方言は、連続母音の融合と擬音化が多いのが特徴です。

もっとわかりやすく言うと、言葉の最後の母音が次の言葉と繋がって発音が曖昧な表現になることが多いのです。

たとえば「○○しているよ」を山口弁にすると「○○しちょるっちゃ」となりますが、これがもう少し訛ると「○○しちょーちゃー」というように言葉がつながって発音されるんです。

山口弁は「にゃ」「ちゅ」などのネコやネズミの鳴き声で表現されるような音になること、さらに県内での方言の差がないことが特徴です。

方言差が少ないことには、もともと山口県は長州藩が県内のほとんどを治めていたので、域内の一体性が強かったためともいわれています。

2.似ている 地方の方言

山口県の周防大島

山口県は方言差が少ないとはいえ、それでも県西部に向かうにつれて九州と似た方言や、東部に向かえば広島と似た言葉が現れます。

やっぱり近い土地の言葉はうつりやすいのでしょうね。

実際に引っ越しなどで他県に住んでしばらくすると、意識していたわけではなくてもその土地の言葉が自然とうつっていた、なんて経験がある方もいるのではないでしょうか?

その土地特有の言葉……たとえば物が「壊れる」ことを「やぶれる」と表現するような、そもそも違う言葉で表現するものはなかなか馴染み辛いですが、言葉のアクセントイントネーション、語尾につく方言というものは自然とうつってしまうことがあります。

山口弁でいうと「~ちょる」「~ちゃ」がうつりやすい方言でしょうか?
テレビみちょる、料理しちょる、~しちょってっちゃ、などなど。

瀬戸内海

「ちょる」はよく使われる言葉で、山口県のゆるキャラちょるるの名前にもなっています。
「ちょる」は山口の方言だ!と思うものの、実は土地特有の言葉とはいえ、意外と方言には隣り合った県ではなくとも他県で同じ方言を使う土地もありますよね。

たとえば高知の土佐弁。土佐弁といえば、大河ドラマなど時代劇で耳にすることも多い方言です。

その土佐弁では、意外と「ちょる」が使われることが多いですよね。
「○○しゆう、○○しちゅう」とは土佐弁でよく耳にする方言ですが、「○○しちょる」がよく使われているのも見たことがあります。

違う部分もあれば、少し共通点もあって面白いです。

他にも「ちょる」は九州でも使われることがありますから、方言には古語が残っていることもあるので、その名残なのかもしれませんね。

また、同じ言葉でも土地によって意味が変わってくる言葉もあります。

たとえば山口弁や博多弁で「しゃんしゃんしい」と言われると、「テキパキしなさい」「しっかりしいなさい」というような意味になりますが、讃岐弁や阿波弁などでは「さっさとしなさい」「早くしなさい」といった意味になります。

まったく同じ意味ではないけれど、似ていないこともないといった感じですね。使いどころによっては山口でも「しゃんしゃんしい」は「早くしなさい」という意味にもなるので、基本的には同じ言葉なんでしょう。

地域ごとに似た言葉、似ていない言葉の共通点を探してみると意外と楽しいかもしれません。

3.方言の種類

電気

山口の方言は、大きく分けると二つの方言に分類されます。

  • 周防方言
  • 長門方言
  • 簡単にいうと、山口県を東西に分けた区分になります。
    山口県は南北の方言差は小さく、東西の方言差が大きいそうです。

    さらに細かく区分すると、周防方言は西と東に分けることができます。
    東周防方言は、土地が広島寄りなこともあり、安芸方言の影響もみられますが、西周防方言は県中央部に位置し、九州や広島の方言の影響をあまり受けていない山口弁が残っています。

    『純粋な山口弁』というなら、この県中央部で使われる西周防方言かもしれません。

    逆に県西の方言である長門方言は隣接している北九州の方言との共通性が多くあり、県東とは方言の差が大きいです。

    山口県内はまとまった大きな一族がおさめていたこと、土地に大きな隔たりがなかったことから方言差が少ないと言われていますが、それでも西と東では「九州」か「広島」寄りの方言が現れ、大きく違う印象を受けます。

    実際に県東部で育った山口県民の私からすると、東部の方言は少しだけ不思議な感覚がします。

    語尾に「ほ」や「そ」をつけることはありませんから。
    同じ県内だというのに方言に違いがあるのは少し不思議な感覚です。

    4.よく使う方言

    本

    山口でよく使われて、他県の人に伝わりづらい方言をご紹介します!

    その①なおす

    「なおす」と聞いてイメージするのは「壊れたものを直す」「風邪を治す」などですが、山口県では「片づける」という意味でも使われます。

    壊れていないものを渡されて「これ、なおしちょって~」と言われたら、「壊れてないのに直すの?」と考えてしまいますが、これは「これ、片付けておいて」という意味です。

    かなり日常的に使うので、県外から来られた方には紛らわしいかもしれません。

    その②えらい

    こちらも日常的に使われることが多く紛らわしい言葉のひとつ。
    「えらい」と聞くと、おそらく漢字で「偉い」と変換されてしまうかもしれませんが、山口県では偉いとは違う意味で使います。

    「えらい」=「しんどい」「キツイ」など、体調や体力的に「だるい」状態のことを指します。

    山口県以外にも、全国でいくつか同じようにだるい状態のことを「えらい」と表現する土地もあるようです。

    その③すいばり

    作業中、指に棘が刺さってしまった状態のことをなんて言いますか?そのまま「棘が刺さった」でしょうか?

    山口では棘のことを「すいばり」と言い、棘が刺さったことを「すいばりがたった」と言います。

    その状況にならないと滅多に使うことがないので、県民の多くは標準語だと思って使っています。

    その④わや

    普段使っている方言で、標準語だとなんと表現すればいいのか難しい言葉ってありませんか?

    山口県で使われる方言の中で説明が難しいのが「わや」です。
    意味としては「大変だ」「めちゃくちゃだ」が近い言葉でしょうか。

    「わやじゃ」「わやする」「わやしたねえ」など、どちらかというとマイナスイメージの言葉です。

    たとえば盛大に料理をぶちまけてしまった時に「わやしたねえ」=「大変なことしたねえ」といったニュアンスで使います。

    かと思えば、ちょっとむちゃをした人に「わやする」と声をかけた時は「無茶するね」という意味にもなります。

    使い方の幅が広いので、県外の人は慣れるまで少し困惑しそうな方言です。

    その⑤はぶてる

    「ハブのこと?」と困惑しますが、これは大人が小さな子どもに向かってよく使う方言です。

    「はぶてる」「拗ねる」や「いじける」「不貞腐れる」という意味で、小さな子が大人に相手をしてもらえなかった時やオモチャを買ってもらえなかった時などに拗ねてしまっていると「○○ちゃんははぶてちょるねぇ」と使います。

    5.まとめ

    地方

    本州の端で広島と九州に挟まれた山口県には、中国地方の方言の他に九州寄りの方言もあり、少し不思議な感覚です。

    何年か前には吉田松陰の妹、文が題材の大河ドラマ「花燃ゆ」が放送されましたが、そこで初めて山口の方言を知ったという方も多いと思います。

    あまりメディアでも山口県が題材になることは少ないので他県の方すると聞きなれない言葉かもしれませんが、ぱっと見あまり方言差がないようでたくさんの方言が隠されているので県民の人も「どの言葉が方言なんだろう?」と考えてみるのも楽しいかもしれません。

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