萩焼の特徴のひとつ『切り高台』について

山口の伝統工芸品・ 萩焼の切り高台 について、ご存知ですか?

萩焼にはいくつか独特の特徴がありますが、その中でも少し不思議な特徴が高台に入っている切り込みなんです。

そもそも、『高台』ってなあに?
『高台の切り込み』ってどんなもの?

そんな萩焼のオモシロイ特徴についてお話していきます。

そもそも高台ってなあに?

高台こうだいとは、茶碗や茶器などの胴をのせている底にある輪っかの部分のことを指します。

萩焼高台

器体の安定を保ち、入れたものの熱を直接伝えないためのものですが、造形の隠された特色を示す場所として様々な違いが現れる部分です。

たとえば、その焼物を作り上げた窯や作者を示すものとして、特徴のある作為の跡がみられたりする場所。

最も自由に個性が発揮できる部分なのかもしれません。

高台の種類

さて、そんな高台ですが、ものによってさまざまな種類があります。

普通に使っていると器をひっくり返してまで高台をまじまじと観察することはないかもしれませんが、器の種類や窯、作り手によって違いがあることも。

今までは「焼物の”違い”なんてわからないわ」と思っていたかもしれませんが、これを知っているだけで少し鼻高さんになれるかも…?

簡単にいくつかご紹介しますね。

【高台の種類】

  1. 輪高台
  2. 一般的な、同心円の輪状になったもので蛇の目高台一重高台とも呼ばれる。

  3. 三日月高台
  4. 高台の厚さが均等ではなく、片方が厚くて片方が薄いもの。片薄高台とも呼ばれる。

  5. 付け高台
  6. 円い輪を先に作っておき、あとから本体につけて高台としたもの。

  7. 削り高台
  8. 本体の土を削って高台を作り出したもの。

他にもさまざまな種類の高台があります。

高台は作り手の個性が出る場所。
高台を手で持ち、ついた指の跡を消さずにあえてそれを残すことで、作り手を感じられる趣のあるものとしたり。

同じ造形のものはあっても、ひとつとして同じものがない。
世界で唯一の器となる、そんなところが魅力なのかもしれません。

萩焼の切り高台 について

様々な高台の違いがある中で、萩焼によくみられるのは切り高台です。

萩焼の切り高台

高台の輪状に切り込みを入れたもの。
一か所、あるいは二、三カ所の切り込みが入っており、割高台と呼ばれることも。

萩焼は器自体の装飾が少ないので、高台のデザインによって全体の印象もまた違ったものになってきます。

どうして萩焼の高台には切り込みがあるの?

萩焼の特徴として挙げられる切り高台ですが、必ず切り込みが入っているというわけではありません。

切り込みが入っていなければ萩焼ではない、というわけでもないので持っている萩焼が切り高台ではなからといって落胆しないでくださいね。

しかし、なぜ切り込みが入るようになったのか。

一説には萩焼は藩の御用窯だったので、庶民は使うことが許されず、切り込みをいれて”キズモノ”にすることで庶民も使えるようにした。

なんて説もあるそうです。
しかしこれは誤りであるという意見の方が多いのだとか。

実際は、朝鮮李朝にその手法があることから藩の御用窯として開窯した朝鮮人陶工の李勺工・李敬兄弟からそのまま伝わったものではないかと言われています。

茶道

茶道にはもともとお茶碗の姿を楽しむために器を拝見することもあるので、その影響もあったりするのでしょうか?

高台の違いは意匠のひとつでもあります。

萩焼は一見するととてもシンプルなデザインで、購入のときには高台の切り込みがお気に入りのものを見つける選択のひとつとなるのではないでしょうか。

まとめ

山口の伝統工芸品・萩焼には、独特の特徴がいくつもあります。

その中でも萩焼の七化けや、切り高台など…一見するとシンプルな外見に惑わされてしまいますが、知れば知るほど味わい深くなる不思議な器です。

その味わい深さが、萩焼が今もなお多くの人々に愛される理由なんでしょうね。