不良品?いいえ、それが”味”なんです!茶渋が染み込み色合いが変化する『萩焼』

萩焼の七化け という言葉を耳にしたことはありますか?

萩焼は山口県萩市一帯で焼かれる陶器。
萩焼は「一楽、二萩、三唐津」とうたわれるように茶の湯の具足として評価の高い品です。

そんな萩焼には、他にはない特徴があり、使い込むほど味わい深くなるその特徴に多くの人が魅了されています。

使うほど味が出る 萩焼の七化け

窯

萩焼が好まれる最大の特徴といってもいいのが、この七化けと呼ばれる現象のことです。

萩焼が三種類の土を調合・調整して作られていることはご存知ですか?

  1. 鉄分を多く含んだ見島土
  2. カオリン質で白色の金峯山土
  3. 鉄分が比較的少ない大道土

焼きしまりの少ない陶土が用いられていて、土が粗く、焼き上がりはふわっと軽くなります。

萩焼は、粗い土と釉薬の間に大きな収縮率のズレが生じてできた貫入かんにゅうと呼ばれる細かいヒビが表面に入っています。

器に空気が含まれていて熱が逃げにくく、お茶を弾かないのです。

これが萩焼が七化けをする大きな理由です。

萩の七化け

器に注がれたお茶は、吸水性の良い器に導かれるように細やかなヒビに茶渋が入り込んでいきます。

器に茶渋がなじみ、じわじわと貫入から器の表面へと染み出してくるのです。

萩焼の七化け

こうして次第に器の色が変わり、使い始めた頃とは違う様相になることを「萩の七化け」と呼びます。

萩焼は、使い込んでいくことで姿を変え、ようやく完成するのです。

使えば使うほど味わい深くなる茶器。
萩焼が永く茶人に愛される理由はここにあります。

お手入れが大変?萩焼の欠点

しかしそんな萩焼にも欠点が。

七化けと言われるように、萩焼の特徴でもある焼き締まりの少ない陶土は器表の貫入へ茶渋が染み込みやすいです。

それゆえに「購入したけれど、お湯を入れたら器の外に染み出てきた。不良品じゃないだろうか?」と思われることもあるのだとか。

お湯

窯元さんにもよりますが、実際に注いだものが漏れ出てしまうことがあります。

長く使えば貫入に茶渋が詰まって漏れることもなくなり、その分『七化け』として風合いが出て味わい深くなってくるのですが……

最初はちょっと手がかかって面倒なもの。

吸水性が良い器なので、お手入れを怠るとカビが生えたり、においが気になったりすることもあります。また、萩焼は土がやわらかいので割れやすく、欠けやすい器です。

使い続けていくためには気を付けなければならないことも多いですが、それが楽しみでもあるのが焼物を味わうコツ。

ぜひ、愛して使ってあげてください。

解決方法

萩焼を長く使い続けるために、購入したらまず最初にやってもらいたいことがあります。

簡単なので、手間と思わずぜひやってみてください。

一番簡単な方法は、まず使う前に半日ほど水にひたしておくこと。
そのあとは十分に乾燥させてください。

貫入に水を染み込ませ、漏れを防ぐために行います。

購入時に土臭かったり、窯ぼこりがある場合はお湯で煮た後3時間ほど湯につけたまままにしておくのも効果的ですよ。

だいたいは使っていくうちに貫入に茶渋が詰まって止まっていくので、そのままの萩焼をお楽しみください。

それでも水漏れがある場合
  1. 鍋にお湯を沸かし、片栗粉小さじ1杯を溶いて器がいっぱいになるまで流し込んでください。器からにじみ出なくなるまで置き、漏れが止まったらよく洗い流して乾燥させます。
  2. 抹茶や粉茶などをしばらく使っていると、貫入に茶渋が詰まって比較的早く漏れが収まります。

中には漏れが止まるまで時間がかかる器もあるので、その都度お使いの器の状態を見ながら考えてあげてくださいね。

また、カビを防ぐためにも使用後はよく洗い、しっかりと乾燥させてから収納してください。

まとめ

萩焼

萩焼を使うのはちょっと面倒だな、と思ってしまったでしょうか?

これが意外と、使ってみるとそうでもないんですよ。
割れやすいので他の食器とは分けて丁寧に洗ったり、しっかりと乾燥させたり。

手間がかかっているようですが、手のかかる子ほどなんとやら。

大切に使い続けていれば自分に応えてくれる、素敵な器です。

だんだんと風合いが変わってくる器を見ているのは、なんだか楽しく、自分だけの器だという気持ちになってきます。

焼物を楽しむということを最大限に感じられるのが萩焼ではないかな、と思います。

七化けした自分だけの萩焼。
ぜひ一度、手に取って感じてみてくださいね。